2012年3月10日土曜日

ワーファリンにより活性化が低下する凝固因子はどれですか?

ワーファリンにより活性化が低下する凝固因子はどれですか?







ワーファリンは、ビタミンKの拮抗薬です。

血栓症、特に静脈血栓症(深部静脈血栓症、肺塞栓など)の治療(再発予防)に用いられています。





【ビタミンK依存性凝固因子】



凝固第VII、IX、X、II (7、9、10、2)因子の4つです。



上記の順番は、半減期の短い順番です。ですから、ワーファリンを内服しますと、まず半減期が最も短い第VII因子活性が低下いたします。

ワーファリン内服や、ビタミンK欠乏症で、APTTよりもPTの方が、早く延長してくるのは、PTでは半減期の短い第VII因子をスクリーニングできるためです。

APTTは、第VII因子を反映していませんので、初期のビタミンK欠乏症では延長しないこともあります。





【ビタミンK依存性の凝固阻止因子】



プロテインC、プロテインSの2つです。



たとえば、先天性プロテインC欠損症(ヘテロ接合体)の患者さまでは、血栓症予防にワーファリンを用いますと、ビタミンK依存性であるプロテインCはさらに低下して、かえって一時的に血栓傾向が悪化することがあります。





【その他のビタミンK依存性蛋白】



オステオカルシンなど。



オステオカルシンは骨代謝と関連しています。グラケーという骨粗鬆症のお薬がありますが、このお薬は、ビタミンKそのものです。グラケーによって、オステオカルシンの活性を高め、骨粗鬆症を治療しようという考えです。





【参考記事】

ワーファリンについて、分かりやすく書かせていただいています。ご参考となれば幸いです。

http://aachan1219.jugem.jp/?eid=4156

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