2012年3月10日土曜日

レセプト病名「肺炎」で、補水液やビタミン注の病名は別につけてますか?

レセプト病名「肺炎」で、補水液やビタミン注の病名は別につけてますか?

レセプト業務14年、管理職をやってます。



病名についての基礎的な解釈になりますが・・・ちょっと迷いが。



「肺炎」の患者で、点滴に補水液、ビタミン注、抗生物質を

投与している場合を例にします。



私は、医薬品ごとの適応病名があると考えていて、

それぞれ適応病名をレセプト表記したほうが良いと考えています。



具体的にいうと、「肺炎」があっても、補水液には脱水症、ビタミン剤には

ビタミン欠乏症・・・というように、医師に許可を得たうえで

病名表記をしています。





一方で、部下の一部に、「肺炎であれば、脱水やビタミン不足も当然含まれるのだから、

肺炎があれば他は不要」という意見の人がいます。



その人いわく、痰の吸引や、酸素吸入なども、「肺炎」に関する

治療なのだから、個別に病名は要らないと考えるようです。



病院によって、医師によって差がある問題でしょうが、

皆さんはどう考えますか?







所属医療機関の地域によって、そして薬剤の値段によってレセプトで削られる範囲は大きく違うことはご存知のことと思います。なので、医学的に異常な量でなければ輸液類やビタミン類は主病名さえあればまず削られないので、「部下の一部」の方のおっしゃる通りで現時点では問題ないのかもしれません。

しかし、どんどんレセプトが厳しくなっている昨今、質問者さんのようにされてる方が良いように思います。肺炎だから輸液するわけではなく、肺炎で発熱等の炎症のため脱水状態になるから補液します。また、長期間、補液を行うと、ビタミン欠乏に伴う症状が出現するため、ビタミンを補給します。肺炎で、喀痰排出が困難な患者さんに吸引を行いますし、肺炎で換気力が低下した時に酸素を投与します。実際肺炎の治療では両者とも不要な場合が多いのですから。全ての薬や処置に医学的な個別の病名があるというわけではありませんが、個別にすることがより医学的に正しいように考えます。しっかりした病院での医療事務さんはだいたいそのようにしてくれていたので医師の立場としてもとても助かることが多かったなあと思い、質問者さんの病院の医師に代わり感謝申し上げます。きちんとやってるのにレセで削られて異議申請書いて・・・・というのは慣れれども辛いものです。








審査員次第だと思います。主病からしてほぼ必発と思われる症状に対して行った治療なら、その症状を逐一病名欄に記載しなくても通してくれる審査員は多いと思います。私もそういう場合は主病のみとしますが、「症状が悪化したときにはやるけどただの経過観察でやるものじゃない」という処置なら、その処置の根拠となる症状は載せるようにしています。

ただ、審査員も自分の専門分野以外の知識は怪しいものです。以前、「この疾患ならこれやって当たり前」なものを査定されたので審査機関に問い合わせたところ、その疾患の定義すらご存知無いようでした。

なので、安全を期するなら、「症状のような病名」まで載せておく方が良いかと思います。その際に、新人さんにありがちなのですが主病との整合性を考えず項目ごとバラバラに機械的な病名を記載したりするとおかしなレセプトになり、返戻されても詳記も書けない状態になってしまうので、注意が必要かと思います。きちんと医師の監督のもとレセプトを作成されているようですので、その心配は無用かとは思いますが。







脱水やビタミン欠乏は病名と言うより症状・状態の面が強いから

病名には主であり、その症状を引き起こす肺炎のほうが

それに補水液やビタミン注は脱水やビタミン欠乏にならないための予防的な面もあるから

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